バランス調整の味方”トレードオフ”


トレードオフとは?

皆さんは、”トレードオフ”という言葉をご存知でしょうか?

一方を追求すれば他方を犠牲にせざるを得ないという状態・関係のことである。
※Wikipediaより抜粋

hito_siso

さて、ゲームおける”トレードオフ”とはどういったものが挙げられるでしょうか。

●強力な武器⇔でもお金がかかる

●攻撃力が高い⇔でも素早さが低い

●全て強い⇔でも入手難易度が高い

等、色々考えられると思います。

 

これ、ゲームバランスを調整するうえで非常に重要な要素になります。

仮に攻撃力の高い魔法使いがいたとしましょう。

kinniku_mahoutukai

・・・

・・

こんな便利なのがいたら“戦士”“魔法使い”“いらない子”になってしまいます。

長所があったら、必ず短所も作ってあげましょう。
このジレンマをユーザーが“やりくり”する事によってゲームとしての面白さが生まれてくるのです。

特にカードゲーム何かはバランスが非常にシビアなので、短所を意識しないと「上位互換の関係性が生まれてしまった!」なんて事になりかねません。

 

バランス調整のテクニック

バランス調整を行う際に、私がオススメしたいのは各パラメータにゲーム内の重要度に比例した重みを持たすという手法です。

例えば、キャラクターに3種類のパラメータが存在するとします。

  • HP
  • 攻撃力
  • 魔力

これらに重みを設けてみます。

仮に

HP=10
攻撃力=20
魔力=8

と設定してみます。

重みを設定する場合は、”割合”を意識して下さい。
割合はゲームのバランスによって変動します。
今回の場合は“攻撃力”のパラメータが比較的重要なゲームになりますね。

 

そして以下の2キャラが存在するとします。

■ゴンザレス
kinniku_mahoutukai
HP=8
攻撃力=5
魔力=3

 

■ステファニー
kawaii_mahoutukai
HP=5
攻撃力=2
魔力=10

 

両者を重みをつけた状態で比較してみます。

■ゴンザレス

HP=10×8 ⇒ 80
攻撃力=20×5 ⇒ 100
魔力=8×3 ⇒ 24
合計 ⇒ 204

■ステファニー

HP=10×5 ⇒ 50
攻撃力=20×2 ⇒ 40
魔力=8×10 ⇒ 80
合計 ⇒ 170

この場合は”ゴンザレス”の方が総合パラメータが高いため強いと判断できます。

ただあくまで目安のため、重みが正しく設定されていない場合や、ゲームバランスが一定ではない場合に誤差が発生する可能性はあります。
※パラメータの重要度が二次曲線になる、平均型より特化型の方が強い等。

それでも新キャラのパラメータを設定する時や、上位互換キャラの発生防止には十分役に立つと思います。

またゲームバランスを調整する時は、各キャラクターの値を調整してしまいがちですが、その前にバランスの骨格となる重み・割合の方を調整する事を心がけてみてください。

試行錯誤を繰り返し、まずはそのゲームのバランスに適した重みを見つける事が重要です。

 

そうそう、あの人気パズルゲームの”パズドラ”なんかはプラス換算と呼ばれる計算法がありますよね。
pazudora

HP=+1につき10
攻撃=+1につき5
回復=+1につき3

これがパズドラ内での”重要度の比率”の目安となるワケです。

またパラメータのみが重みとして使用されるワケではありません。
仮にスキルという概念がある場合は、ヒールが使えれば+10、ファイアが使えれば+5、何も使えなければ+0にしたりします。
スキルに重みを付けるのは最初は難しいかもしれませんが、慣れてくれば「このスキルはこれぐらいだな!」という線が見えてくると思います。

またレア度という概念がある場合は、レア1は手に入れやすいため+20、レア3は+10、レア5は+0等にしてみます。
するとレア5の場合、他のパラメータに値を費やせる分、レア1より強くなるバランスになります。
同じレア度でのバランスは保ったまま、異なるレア度では差別化を図る事ができます。

これらの重みが適切であればあるほど各パラメータの信頼度も上がっていきます。



 

最後に

”天は二物を与えず”とは言ったものですが、ゲームでも基本的に二物は与えないようにしましょう。

短所は長所を活かすための大事なパラメータ

hiyoko_kandou

そしてそれが魅力ある”個性”につながります。

”トレードオフ”を意識しゲームバランスを整える。
そこから生まれる魅力的なキャラクター達をぜひ大切にしてあげてください。



ZERO
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