ゲームマーケット2018秋、ボドゲ作者として思った事


ゲームマーケット2018秋に行ってきた。
非常に面白かったので、個人的に思ったことを書いてみたいと思う。

かくいう私もアナログゲームを作っていた時期があり、
非常に懐かしい気持ちで遊びに行かせて頂いた。

12時頃に会場に着いたが、まず驚いたのが人の多さ。
歩くのも大変で、試遊もタイミングを見ながらじゃないとなかなか出来ない状態だった。

ゲームイベントのほとんどがそうだが、試遊のしやすさ、しにくさというのはやはり顕著に現れる。
大部分を占めるのが「遊び方(勝敗)の分かりやすさ」と「見た目(クオリティ、可愛さ等)のインパクト」の差だろう。

またゲーム性は「戦略系ゲーム」よりは「駆け引き、運をベースにしたゲーム」の方が初見では遊びやすい。
特に知らない人同士で遊ぶ場合はパーティーゲーム寄りの方が断然盛り上がる。
人狼系のゲームなんかはまさにピッタリだと言えるだろう。

とにかく入口は「複雑な面白さ」より「シンプルな面白さ」。
表向きは誰でも遊べる感を出し、やっていく内に裏に潜む奥深さに気付かせるのだ。

シンプルの基準として、プレイヤーが1ターンに取れる選択肢の数を考えてみたい。
これに関しては大体3~5択になるぐらいが好ましいだろう。
心理学でいうマジカルナンバー4±1というヤツだ。

「おい、将棋とか選択肢もっと多いぞ!」という声が聞こえてくるので補足しておこう。
確かに将棋なんかは選択肢自体は非常に多い。
ただしそれらの全選択肢の内、最善手となり得る手は9割方3~5択ぐらいになっているのだ。
単純な数値ではなく体感で3~5択になっている事がとても重要だ。

それに加えて将棋のように数ターン先が読めるゲームにしておけば4×4×4…と、
プレイヤー自身が自分の実力にあった選択肢の数を調整しながら遊んでくれる。
ある意味、最高のバランス調整方法だと言えるだろう。

試遊した中では「Ostle(オストル)」というゲームがシンプルで非常に面白かった。

分かりやすいルールと勝利条件。詰まないための若干の特殊ルール。
短時間で覚えられて、勝ち切るためには頭も使う。オセロを彷彿とさせる洗練されたゲームだ。

唯一勿体無い点としては「穴パネルが押せないのに押しやすい形状」だったところだ。
そのせいで操作を間違えてしまうプレイヤーも見受けられた。
ルールで定義するだけではなく、まずはプレイヤー自身が直感的に遊べる工夫を心がけたい。

そもそも「プレイヤーが間違えやすい」ということはインターフェースが最適化されていない場合が多い。
動かせるコマは動かしやすい形状、持てるコマは持ちやすい形状にしておくべきだ。
他が良かったため、その点がどうしても気になってしまった。

それとは別に手番の初めに山札からカードを1枚引く(ドローする)カードゲームがあった。
これ自体はよくあるカードゲームのルールだが、多くのプレイヤーがドローするのを忘れたままカードをプレイしてしまっていた。
その度に「引いてないよ」の声が響き、慌てて引くのである。

一体何故こうなってしまうのだろうか。
おそらく他プレイヤーの番で自分の手札を見ながら戦略を決めてしまっているからではないだろうか。
そのまま自分の手番になりドローするのを忘れて考えていた戦略通りに動いてしまうのだ。

この場合「手番の初めにドローするのが直感的か」という視点で改めて考えてみたい。
例えば「そもそもの手札枚数を一枚増やし手番の最後に補充」にするのはどうだろうか。
これなら補充したカード込みで次の手番が来るまで考えられるため、戦略が無駄になりづらくテンポアップにつながる。

カードゲームで最初にドローというのは、よくある形式なので取り入れやすいと思う。
ただしそのルールが自分のゲームに適しているかは慎重に判断して欲しい。
一つ一つのルールにしっかりと意味を与えてあげるのだ。
ルールが洗練されているゲームは無駄が排除されプレイしていて非常に心地が良い。

しかし無駄が全くのダメかというとそういう事でもない。
信念のない無駄。お前だけがダメなのだ。
なんなら無駄を極めて「この無駄楽しいです」と言わせて欲しい。というか超言いたい。

というわけで思うまま書いてみたが…読み返すと厳し目な意見になってしまったかもしれない。
当日の勢いのまま書いているのでそこは許して頂きたい。

とは言え総評としてはとても楽しかった。
何より考え抜いたであろうルールを楽しげに説明してくれる出展者と話すのは本当に楽しかった。

アナログゲームというのは作るのも売るのも非常に大変だ。
ゲーム仕様を考え、テストプレイし、材料を買い揃え、印刷し、出展して、売る。
納期に間に合わないかもしれない。売れ残って在庫を抱えるかもしれない。
赤字覚悟で出展しているサークルも多いだろう。

昨今のデジタル化の流れはアナログゲーム業界にとっては向かい風だろう。
しかしアナログゲームならではの楽しさは確かに存在する。
ダイスを振る、カードをめくる。それだけでワクワクできるのだ。

デジタルには無いアナログの良さ、手触り感。
それはDNAに刻まれた原始的な面白さなのかもしれない。

今後ともアナログゲームの面白さを引き出して、盛り上げていってくれればと切に願う。

ZERO
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