コンコルド効果とは?
”コンコルド”効果とは超音速旅客機コンコルドの商業的失敗を由来とし、ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をしつづけることが損失につながるとわかっているにもかかわらず、それまでの投資を惜しみ、投資をやめられない状態を指します。
ギャンブル等で陥りやすい現象と言えます。
例えばパチンコで「1万円も使ってしまった。。ここでやめたらお金も時間も無駄にする。勝つまでやめられない・・・!」となってしまう非常に危険な心理状態です。
1万円札のオークション
コンコルド効果を感じる事が出来る、こんな問題があります。
- 1万円札のオークションを行います。
- 開始値は1円からです。
- 1番高値を付けたお客様に1万円札をお売りします。
- ただし1つペナルティとして2番目に高値を付けたお客様に関しては付け値をお支払いして頂きます。
こういったルールの場合、どういう作戦で臨めば良いでしょうか?
正解は参加しないです。
5千円ぐらいで1万円札が買えるなら少しぐらい参加しても良いんじゃない?と思うかもしれません。
ただ自分(以後A)が5千円の値が付けたという事は、2番目に高値を付けた人(以後B)がペナルティとして4千円ぐらいを支払う事になっていると思います。
Bからしたら4千円を無条件で支払うのは嫌なので6千円の値を付けてきます。するとAも同じ考えになり5千円を支払いたくないので7千円の値を付けます。
そう、イタチごっこになってしまうのです。
「なんだ、結局最終的には1万円で1万円札を買う事になるのか」と思うかもしれません。いえ、このゲームの恐ろしい所は、1万円を越えてからも値上げ合戦が続く事なのです。
Aが1万円の値を付けた後に、Bはこう考えます。「1万円札に1万円以上支払うのは馬鹿らしい・・・ただ今のままでは9千円タダで支払う事になる。それだったら1万円札を1万千円で購入し千円の損の方がマシだ。」
こう考えてしまい、結局AもBも際限なく値上げし続けてしまうのです。
まさに”コンコルド”状態です。お互いやめるにやめられなくなっています。
ソーシャルゲームにおけるコンコルド効果
昨今のソーシャルゲームはあらゆる所でこの効果を使用しています。
連続ログインボーナス
連続ログインボーナスとは毎日ログインする事で何かしら報酬を受け取り続ける事が出来るボーナスの事です。
ポイントは序盤は報酬が少なく設定されているという点です。
つまり途中でログインを止めてしまったら、また報酬が少ない状態から始める事になります。「やめたら最初からだ。」そう思うと特にやる事がない場合でも惰性でログインし続けてしまいます。
「100日連続ログインおめでとう!」等の長期的なボーナスを入れる事によって更にやめづらくなります。
もちろんゲームを始めたばかりの頃は、連続ログインボーナスがある事でモチベーションが維持されて長続きできたりします。
怖いのはやめる時です。今までずっと続けてきたモノをやめるというのは非常にエネルギーを使いますからね。
ガチャシステム
そして何より恐ろしいのが”ガチャ”です。
お気に入りのキャラが欲しくてガチャを回す人は多いと思います。
一通り回してお気に入りのキャラが出なかった時に、諦めきれる人は問題ありません。
ただ諦め切れない人は、追加で課金しガチャを回し、結局はお気に入りのキャラが出るまで回し続けてしまったりするのです。
途中でやめると今までの投資が無駄になってしまう、お気に入りのキャラが出れば報われる、という心理状態に陥ってしまうわけです。
最後に
今回扱った”コンコルド効果”は、悪用するととても危険なものになりえます。
「ハマる!中毒性がある!」というゲームはとても良いと思います。私も大好きです。
ただそれが行き過ぎてしまうと問題があります。ユーザーがやめたいのにやめれない、完全に依存させてしまうようなゲーム設計は良くないと思います。
しかしそんなゲームが世の中に沢山存在するのも事実です。やる勇気も大事ですが、やめる勇気も大事。
「やめたい!けどやめられない!」ではなく「面白い!だからやめられない!」と思ってもらえるようなゲームを作っていきたいですね。