アンダーマイニング効果とは?
”アンダーマイニング”効果とは、内発的に動機づけられた行為に対して、報酬を与えるなどの外発的動機づけを行うことによって、モチベーション(やる気)が低減する現象の事です。
簡単に言うと、好きで勉強をしていたのに「勉強したらお小遣いあげるね!」と言われたら途端にやる気を無くすような状態の事です。
勉強そのものが好きだったのに、”お金のために勉強をしている”ような感覚に陥ってしまうのです。
ゲームに関しても案外この罠が潜んでいます。
開発者が”面白さに自信を持てない”等の理由により、ゲーム内でつい報酬を与えすぎてしまう場合があります。
結果、ユーザーに対して「報酬のためにプレイしている!」という感覚を植え付けてしまうのです。
最近流行の”動画リワード”何かも要注意です。
例えばステージ内でコインを獲得しながら進んでいくアクションゲームがあったとします。
●ステージ1でコインを30個ゲットしながらクリア。
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●その後ショップに行き、悩んだ末に10コインを使って新たな武器を購入。
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●意気揚々とステージ2に臨むもボスで撃沈。
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●そこに現れた動画広告…!
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●クリックすると一気に500コインゲット。
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こうなってしまうとゲーム内でのコイン稼ぎはほぼ意味を無さなくなり、モチベーション(やるき)の低下につながります。
※これは大分極端な例ですが・・・!
報酬は与えれば良い、高い方が良い、という考え方だと陥りやすい罠です。
ゲーム内でのコイン稼ぎにも意味があり、動画広告にもメリットがあるようにバランスを見極める必要があります。
動画リワードによってゲーム内で取得したコインが2倍になる、等ですね。
報酬と喜びの関係性
報酬と喜びの関係性についてこういった実験があります。
- 報酬を与え続ける
- 基本的に報酬を与え、たまに与えない
- 基本的に報酬を与えず、たまに与える
- 報酬は与えない
この4パターンがあったとして一番人間が喜びを感じるのは何番だったと思いますか?
正解は「3.基本的に報酬は与えず、たまに与える」だったそうです。
試練を与え、与え、与え、そして報酬につなげる。このサイクルが大事です。
もちろんゲームの内容によってサイクルのタイミングは変動しますが、自分なりのバランスを見つけてみてください。
ソーシャルゲームでも、ダンジョンをクリアすれば毎回石がゲット出来るというワケではなく、3回までは報酬が少なく、4回目(全てのダンジョンクリア)で石ゲット!といったバランスになっていますよね。
最後に
報酬がモチベーションに繋がるエンハンシング効果というものがあります。
コンクールで大賞を取りたいから、甲子園で優勝したいから、頑張る。
報酬は継続するための原動力。
ユーザーが欲してるであろう適切な報酬を、適切なタイミングで提供する。
試練と報酬のバランスを上手く使いこなして開発者にもユーザーにもプラスを与えたいですね。